フライフィッシング備忘録

時々シングル・アンダーハンドキャスティング探検隊 Flyfishing Notebook
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アンダーハンドキャスティング研究(スパイラルピックアップの応用その2 速いライン)

速いラインを繰り出す

前回は大きな角度変換のためにラインの滞空時間を稼ぐ目的のスパイラルピックアップを書きました。(ちなみに完全に私見であり、シングルハンドのみであることを前提にお読みください)

今回は逆に、ラインの滞空時間をなるたけ切り詰めるキャスト、速いラインのためのスパイラルを書きます。

ひと口にスパイラルと言っても使い方によってはまったく逆の作用を得ることができるわけですね。

また滞空時間切り詰めのスパイラルと同様な効果を生むN字ピックアップ(ないしはスナップ-Tによるリフトに近い)について事前に触れることになります。

ここで、ラインの滞空時間を切り詰めるケースというのは、おしなべて速いラインのハーフサークル&シュート、できるだけ低い位置でシュートするときには有効でしょう。(ディープウェーディングには必須。マニュアルP24参照)

▼ひと目見ればわかるその概念図
速いラインのためのスパイラル

▲直径1mのスパイラルを作ったとすれば、単純計算上ではすでに3.14mのラインをリフトし、ハーフサークル予備軍のラインを確保可能(0.5秒もかからない)。普通のリフトではそうはいかんのです。3.14mということは!OPTI CREEKならヘッド長の半分だよ。
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速いラインを低い軌道で打ち出すことは、風への対応、または自分の立ち位置やターゲットが木で覆われている場合など、高い位置でロッドを振りたくないといった場合に使うことになるでしょう。(ロッドを寝かせることはすなわちディープウェーディングと同じ結果)

また、キャスターの立ち位置より前方でリーダータッチさせ、それでもなおかつスピードのあるシュートを打つにも有効です。

ハーフサークルによるラインの移動速度が上がることは、その後に続くシュートでロッドに蓄えることができるエネルギーを増加させることになります。

ここでヨラン・アンダーソンのDVDの中で語られた台詞を思いだすと・・・。
(応用編の途中です)

「高いラインはいつもゆっくり」
「低いラインはいつも速く」

そう、低いラインはいつも速く。そのためにスパイラルピックアップを使うことは便利です。
(と言うか、最終的にここに落ち着くかも)
普通のリフト&ハーフサークルの限界と対策

ラインスピードを上げようと思うとき、普通のリフト&ハーフサークルでは限界があることに気づきます。

普通のハーフサークルを速い速度で行なうだけではリーダータッチのコントロールがしにくいと思ったことはありませんか?

単に速い動きのハーフサークルを行なうだけでは、結果的にラインの滞空時間も長くなりがちで、ロッドをしっかり曲げ込むことはできますが、リーダータッチのタイミングを失います。

また速いハーフサークルを行なえば、当然ラインは後ろにすっぽ抜けようとするでしょう。これがラインのコントロールを失った状態で、オーバーヘッドのバックキャストをしているようなアクションとして見ることができます。(マニュアルP23)

しかしながら速いライン作りに対するハーフサークルは、普通のハーフサークルよりももっとを短時間にラインを呼び込み、ロッドを曲げ込む必要性が大きくなります。


■ロッドを寝かせる

この状態の対策としてはハーフサークルでもっとロッドを寝かすということもあり得ます。この方法は低い軌道で速いシュートを打つための第一段階ということができるでしょう。

寝かせたロッドで行なうハーフサークル〜シュートは、ほとんどサイドキャストによるアンダーハンドキャスティングといった感じになります。

ロッドを寝かせれば、ハーフサークルではそれだけラインが水面と近く、深くウェーディングしているのと同じ条件となります。

これでまともにシュートできているうちは良いのですが、サイドのアンダーハンドキャストではもともとロッドをあまり立てずにハーフサークルに入るアクションになるために、リフトでリーダー(ライン含む)を水面からはがしにくいという問題につながります。

このとき無理にリフトの速さに頼ってリーダーをはがそうとすれば、速すぎるハーフサークル同様にラインのノーコン状態という弊害が出てきます。


■N字ピックアップ(N字リフトと言うべきか)

ハーフサークルでコントロールを失わずにライン速度を上げる方法として、ロッドを寝かせる以外にはN字ピックアップがあります。(これはロッドの曲げ込みに関しても貢献しているでしょう)

もちろん、N字ピックアップそれ自体は(ハーフサークル時の)ロッドの傾け方と関係なしにいつでも使える方法です。

N字ピックアップはDVDの中でヨラン・アンダーソンが何度も行なっています。動画で言えば、普通のリフトをする途中に一発ポンとロッドを小さく下にはたくような動きですね。(手首だけでやってます)

また場合によっては割と大きな動きのN字を描いている場合もあります。これはロッドの大きな曲げ込みを伴い、かなり速いラインを打ち出す場合に見られます。

N字ピックアップを使うことで水面からリーダーをすばやくはがすだけでなく、その後に続くハーフサークルではN字ピックアップなしの普通のリフトと比べ、多量のラインを一期に引き寄せることができるようになります。

むしろハーフサークル以前に、リーダー部がリーダータッチの目標地点に向かって吹っ飛んで来るといった感じでしょうか。

普通のリフトではハーフサークルを開始するまでだらだらとリーダーが水面を引きずられる感じがありますが、N字ピックアップなら一発です。

このN字ピックアップは後に説明するスパイラルピックアップ(による速いライン作り)の原型とも言うことができるでしょう。

ただしこのN字ピックアップもロッドをかなり寝かせた状態では、垂直方向へのリフトが足らずにリーダーを水面からはがしにくいです。特に、リーダーが沈んでいる場合には水平方向にN字を描くことはリフトに取って効果的でなくなります。(寝かしたロッドで垂直方向に近いN字を描くのもありですね。後述するSnap-Tに近いです。)

ちなみに、N字ピックアップとほとんど同様なリフトをStephanのビデオの中では"Snap-T"として紹介されているようです。これはかなり大きなN字を描き、そのN字が完全には崩れない状態でリーダータッチまで行ってます。

ただしStephanのビデオでのSnap-Tはあくまでピックアップ(リフト)の形だけのことであり、スペイでいうところのSnap-Tとは目的が異なると思われます。


■立ち位置より前にリーダータッチを行なうときの有効性

現場の状況によっては、自分が立っている位置より後ろにリーダータッチが行なえないことがあります。

例えばウエーディングしていない状況とかすぐそばに障害となる石があるときや、後ろにスペースが全くない場合など。

このようなときは自分の立ち位置より前方でリーダータッチすることになりますが、基本的なリフト〜シュートではシュートの推進力が得にくいと思ったことはないでしょうか?

このような場合にも「速いライン」を使えば強いシュートが打てます。

立ち位置よりも前にリーダータッチするとき、スパイラルピックアップやN字ピックアップは力強いシュートを打つために役立ちます。

リフト(ピックアップ)の三態

下の図は今回取り上げているリフト(ピックアップ)を図解しており、それぞれに特徴があります。

ループ三態

AはそのまんまN字ピックアップです。

比較的にロッドが起きている場合はライン&リーダーを浮かして水面からはがす力があります。ところが、ロッドを寝かせたり深いウェーディングでは「ラインはがし」に限界があります。

なぜなら、ロッドを寝かせてN字を描いたとき、ラインを引く方向が水平に近づき、上向き成分の力が減少するからです。(オーバーヘッドでのN字ピックアップをどんどん横に寝かせていった場合と仮定して)

BはN字のロッドのさばきを少し回転させるようにして小さなループを作った場合。ロッドチップの回転方向は時計回りです。

このスパイラルはロッドが寝ている状態でもループのとっかかりで上向きにラインを引き抜く力を残すことができます。「寝たN字」でラインはがしが苦しいときにはこの回転方向のスパイラルか、起きたN字が有効です。

個人的には起きたN字よりもスパイラルの方がスムースにラインをさばけるように思えます。起きたN字はとにかくロッドを曲げ込む(強いシュートにつながる)ことが得意ではないかと思えます。

Cは同じようにロッドチップを回転させていますが、反時計回りです。この回転方向は前回の記事で取り上げた「長い滞空時間のための大きなループのスパイラル」で使っています。

ロッドが寝ている状態では、ラインを抜く方向が水平に近く、「ラインはがし」はあまり得意ではありません。比較的ロッドを起こしているときには有効です。

ただし、ループは上側にできますから、風の影響を受けやすくもあります。

練習方法と注意点

上で取り上げた3つのリフト(ピックアップ)は、基本的なシングルアンダーハンドキャストが出来ていれば比較的簡単です。

これらのピックアップが完了したあとはいつものハーフサークル〜シュートを打てばOKです。

最初はゆっくりとN字を描いたりスパイラルのループを作ってみましょう。そしてリフトが完全に成功しないでも、水面を引きずったような状態でもシュートへまで移行することが可能です。ライン〜リーダーの状態をよく見ながらハーフサークル〜シュートをしてみてください。

ただし、うまくリフトできるようになるほど全体としてラインスピードが上がりますから、後ろへのすっぽ抜けとしてリーダータッチに失敗しやすくなります。

やはり大切なのはバックストップです。速いラインであるほうが、普通のリフト&ハーフサークルよりもさらにバックストップの重要性が増してきます。

最初のうちは立ち位置より前でリーダータッチするよう、短い距離のハーフサークルをお勧めします。(それでも速いラインを打てますから驚きますよ)

■注意点

うまくできるようになると、基本的なキャストよりもかなりな勢いでシュートが打てることに気づきます。更にホールを加えることもできるでしょう。

ところが、調子に乗ってロングキャストしようとすると、シュートにおいて普通のフォワードキャストと同じ腕の振りになってしまうことがあります。(リキんでしまうとこうなります。これはもう習性のようなもの。)

シュートで肘と腕を前方に突き出すようなキャストですね。

アンダーハンドキャスティングではバックキャストがありませんから、シュートで肘と腕を突き出すようなアクションになると、上体を前後に動かしてバランスを取るようになり、なんとも不安定なキャストになります。

これでもけっこうラインが伸びてしまいますが、シュートがオーバーヘッドと同じような腕の振りになるということは、逆にハーフサークル〜ドリフトも普通のオーバーヘッドのバックキャストのようになりがちです。(うまくできかけるとこの傾向が強くなります)

なぜこうなっちゃうのかと言えば、スパイラルやN字のリフトでは低く速いラインが打てるようになり、もっと飛ばそうとしてリキミが入り、いつのまにやら前も後ろもオーバーヘッドのようなアクションをしてしまうのです。

こうなるとリーダータッチがうまくいかず、すっぽ抜けが頻発します。

すっぽ抜けたままでもキャストできてしまうために始末が悪いのですが、正しくリーダータッチした方がもっと飛びます。

そしてシュートは必ず基本通り、肘を引いてロッドのバットを曲げ込むのが正解です。

アンダーハンドキャスティングの特徴である"effort less"これを忘れないようにしましょう。コンパクトなアクションで最大限の効果を!
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